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2013年 06月 27日

GSX1400  インプレッション

やはりバイクに興味のある方のみで。


以前乗っていたSV1000nは事故で一旦手放し、改めて入手したバイク。同じスズキのGSX1400。

ウチに来てから都合20数回乗って、少しずつ理解が進んできました。
まだまだ距離は乗れていませんが、インプレッションを書いてみたいと思います。


●数値で振り返るGSX1400
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3/10に納車され、まだ20回ですが乗っています。ガソリンは(もちろんレギュラー)174L消費しました。総金額は25,347円 油の地球埋蔵量から考えても、こんなに簡単にガソリンを消費してしまって良いのか? と言う気分になりますが、そんな事を考え出すときりがないのでまぁ適当な所で手を打ちましょう。

燃費の平均は16.4Km/L 標準偏差が1.32ですので変動費は8.0% 前のSV1000nが変動費8.1%ですから僕が乗るバイクの燃費のバラ付きはこんなものなのでしょう。意外と精度良くバラ付いているのに逆に驚きました。
ただし、燃費はSV1000nが15.6でしたので数値で比較すれば16.3と言う事で良いのですが、僕の実感としても、明らかにSVよりも良い印象です、先日最高で19.6と言う数値を出した事があります。SVではどうがんばっても絶対に出ない数値でしたのでGSX1400は燃費の良いバイク、と言ってもイイかな? と思っています。

燃費が良いのには理由があります。

このバイクはトルクが強いので、回して乗る必要がないからです。
実際、タコメーターを見るとたったの9000rpmでレブです。そして、後で詳しく書きますが、普段の走りでは4000rpm以上に上げる事がありません。それでも必要にして十分な加速が得られます。燃費が良くなる筈です。

●見た目
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とにかくマッチョです。横に立って見ると、とにかく目に付くのが巨大なガソリンタンク。
横から見ても大きく見えますが、バイクを跨ごうとして、上から見ると、暴力的な大きさです。まずここで圧倒されます。某ホームページに「ちゃぶ台返しが出来るタンク」と書かれていましたが、まったくうなずけます。
実際、初めて跨る前には「無理!」と反射的に思いました。

そして、もう一つが巨大なリアタイヤ(190!)180でも太く見えるのに、一段と太く巨大です。

全体から得られる印象も、とにかく「デカイ!」と言う表現でも良いと思います。

僕はこの特性から、一番良く見かける白+ブルーのスズキカラーの様な厳つい色のバイクを避けて、一番地味に見えるシルバーにしましたがコンパクトに見えるので正解だったと思っています。
が、何人もの、全然知らない方から「大きなバイクですねぇ~」と言う言葉を頂きました。

基本はやはり大きく見えるバイクですね。

●取り回しと乗り味
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これが重たくないんです!
乾燥重量が226Kg。もちろん重たいのは重たいのですが、不思議と重さは感じません。バランスが良い様です。

乗り味として重さを感じないのには理由があります。
開発者のインタビューが乗っている本を買ったのですが、適度に「しなる」鉄フレームが軽さを感じさせている。と言う事です。確かにバンクは心地良い軽さです。でも、重たい物を軽く演出している、と言う感じではありません。乗り味として軽いのです。

また、不思議なのは取り回しです。
エンジンを使わず、身体だけで押したり引いたりする取り回しですが、これも重たくありません。苦労せずに「よいしょ」と押して進める事が出来ます。

跨ると先に書いた様に、呆れる位の巨大なタンクが嫌でも目に入りますが、ニーグリップの所はちゃんとえぐれていて、「あれ?」と言う感じで普通のポジションです。
400ccクラス、とは言いませんが、目をつぶって乗れば、少なくとも「あのバイク」とは思えない普通なポジションなので、軽い乗り味と相まって、素直な優しい印象の乗り味です。

●エンジン
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ネットで調べると色々な事が書かれています。「ネイキッド最大の排気量 1400ccのパワー」「凶暴なトルク」「目も眩む加速」 等々。
全部ウソです。

開発にあたって、このバイクのコンセプトは「上品」。
ヨーロッパでヒットした油冷バンディットが日本ではあまり売れなかった事を調べた結果上品さが足りない、と言う事で乗り手をリラックスさせる様なバイクを目指した、と言う事。

エンジンからは振動を出来る限り取り去り、フューエルインジェクション(以下FI)は強力なトルクのエンジンを簡単に扱える様にピーキーではないレスポンスに調教。トップギア(6速)では時速100Kmにおいてたったの3000回転。先に書いた様に、しなるフレームで大きな車体を軽く自然に扱える様にした。などなど。

従ってこのエンジンは非常に優しい印象です。

が、退屈なのかと言われれば、それは違います。

このバイクの生息域は3つあります。

1つ目は峠道。
大きなトルクが出るエンジンのお陰で、ギアを落とさずにコーナーリング出来ます。ツインエンジンの特徴である、高いギアで低い回転でも強いトルクに引っ張ってもらい、リアタイヤにトルクをかけ続ける。と言う走りが4気筒エンジンなのに楽しめます。
しかも、優しく調教されたFIのお陰で、安心してアクセルをワイドオープンに出来るので、結果として快適でありながらそこそこのアベレージで走れます。

2つ目は高速道路。
メーター一杯の「ぬゆわ」まで速度を上げても5000回転。このエンジンは最高トルクが5000回転で出るのは意図的と考えざるを得ません。
しかもリア190の極太タイヤが恐ろしく安定して高速走行をサポートします。速度が上がれば上がる程に車体が安定する、と言う感じです。

3つ目は定速走行。
例えば一般道で、車の後を、普通に時速60Kmで走ると2000回展を割っています。要するに殆どアイドリングで走っている訳です。なのに、そこからアクセルを開けてもエンジンはギクシャクしません。モリモリとしたトルクで加速を初めます。
そして、独特の硬質な振動が味わえます。

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このバイクのエンジンを一言で表すと、とにかく常にトルクで走るバイク。と言う事です。馬力で引っ張る、と言う事はありません。
時速40Kmであろうと、メーター一杯でもトルクだけで走っているバイクです。
しかも、先に書いた様に優しい味付けのFIが緊張を強いて来ません。正に上品な印象を感じます。見た目のマッスルな感じは「見た目だけ」なのです。

●サスペンション
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フルアジャスタブルな前後のサスは、ノーマルでは笑い出したくなる位に柔らかい印象で、どちらかと言うと「ふにゃふにゃ」です。優しい乗り心地、と言えば聞こえはよろしいのですが、どちらかと言うと腰砕け。な印象で、思い切ってブレーキもかけられません。カーブ手前でブレーキングをすれば、驚く程にノーズダイブして、姿勢が大きく変化するので乗りにくい事この上ないです。

特にフロントの圧・伸び 共にダンパーの効きが甘めで、一杯に締めて、やっと減衰力を効きとして感じられる位に優しいサスペンションです。今は目一杯から1回転位緩めた所で走っています。

リアは圧・伸び共にたったの4段階のダンバーですが、こっちは意外と効きます。今は2と3の間でちょうどフロントとのサスペンションの動きが合っているので様子を見ながら今後どうするのかを考えている所です。

しかし、このバイクの基本はスポーツではなく、ツーリングなど、どちらかと言うと流す様な運転が似合います。

●ハンドリング
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先に書いた様に軽いハンドリングです。
しかし、軽くて軽快かと言うと、ちょっと違う感じです。適度に乗りやすい。こんな感じです。しかし、まとめて一言で表すと「上品」と言う感じの言葉にどうしてもたどり着きます。

カーブ手前でしっかりブレーキをかけ、ブリッピングで6→5→4とシフトダウン(場合によると5速でもOK)。フロントに荷重を置き、体重をバンクさせる方向に預けて、立とうとするバイクとバンクさせる力を吊り合わせ、減速しながらカーブに侵入。ブレーキリリースで向きを変えると、素直にバンクが決まり、後はカーブ出口が見えるとおもむろにアクセルをワイドオープン。
リアに移る荷重を感じながら腰が押されるのを楽しみます。そして、回転を上げる事なくどんどんギアを上げてトルクをリアタイヤにかけ続けます。するとトラクションしたバイクは積極的に曲がっていく。こんな感じの、バイクなのです。

意地悪に言えば、特になにも起こらないバイク。
もっと意地悪に言うとオッサン臭いバイク.....

良く言えば上品。しっとり。落ち着いた。と言う感じですかね。


●総括すると
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やはりオッサンバイクです^^;

こう言ってしまうと、やはりミもフタもありませんが、でも実際にそう思います。このバイクはオッサン臭さが漂う独特の「優しさ」があります。

外見が非常に攻撃的なマッチョな感じですので、どうしてもその外観だけで判断されてしまいますが、強いトルクを武器にした、優しいお父さん。と言う感じのバイクなのです。
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もちろん大きくアクセルを開ければそれなりに加速はしますが、どんなシーンでも驚く様なアクションはありません。常に強力なエンジンが優しく乗り手を守っている、と言う雰囲気です。


高速のサービスエリアや、道の駅などでバイクを停めて、缶コーヒーなんかを飲んでいると、「GSX1400」と言うエンブレムで何人もの方から声をかけられます。

「凄いバイクですね」
「1400だなんて速いんでしょう?」
「怖くないですか?」
などなど

全部間違いなのですが、最近思っているのは、このバイクの愉しみは、そう言う見た目の攻撃的な雰囲気で、他を圧倒する。と言う所なのかも知れない。と思っています。
それが証拠に、同じバイクに乗っている人とは、独特の連帯感があります。

「実は優しいバイクなんだよね」

と言う.....
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by jmiin | 2013-06-27 22:51


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