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2012年 06月 17日

SV1000n インプレッション

バイクに興味のある方のみ。



注 このバイクは「SV1000」と呼ばれていますが、SVの中では普通「SV1000s」が主流で「SV1000」は日本では「SV1000無印」などと言い分けられていますが、ここは欧米で良く見られる「SV1000n」として表現します。

このバイク 僕は去年の8月から乗り出したので、10ヶ月経過し、走行距離もちょうど10000kmに達しました。そこで改めてこのバイクの事を語ってみようと思います。

●まずは数値で振り返るSV1000n
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ガソリンは今日(6/17現在)合計で674L消費し、金額は97885円 81回の給油数で1回辺りの金額は1209円でした。
明らかに環境を浪費する行為ですね。バイクなんて。

燃費は平均15.6Km/L 標準偏差は1σ=1.26Km/L 変動率は(σ/平均)8.1%ですので変動費はやや高いものの、まぁ平均は、安定している数値群から計算されたと考えても差し支えないと判断しています。
最高は18.2Km/L 最悪が12.8Km/L 大体2σ(1.26×2)で最高・最悪が説明出来るので、やはり燃費は安定して15.6Km/L付近と考えて差し支え無いでしょう。
ただし燃費のデーター自身が正規分布しているのか? と言う根源的な問題があります。
そして、この燃費を良いと見るか、悪いと見るかは皆さんにお任せします。


●見た目
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このバイクでは重要な項目だと思っています。

リッターバイクによく見られる「デカイバイクなんだぞ!」と言うオーラが殆どありません。
過日、自宅の近所にあるバイク屋さんに所用で乗って行き、ちょっと話をしたのですが、バイク屋さんのオヤジもSV400だと思っていました。(事実! おいおい)

見た目として、先に書いた様にオーラが無い。と言う事はエンジン音が静かな事もこの見た目の悪さを助長している様です。マフラーも完全ノーマルで乗っていますが、実に静かで、音にも迫力がありません。

しかし、僕はこの見た目にはとても満足しています。理由は「なめられる」からです^^;

交差点の信号で止まっても、誰もリッターバイクだと思っていません。なのに出足では普通のバイクより音もなく速いので先に書いた様に完全なダークホース。
気がつくと頭ひとつ前に出ていて、実に痛快です。


●取り回しと乗り味
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乾燥重量は187kgとされていますが、取り回しは重いと感じます。それはVツインエンジンの位置が高い事が一番の原因だと思っています。
200kg+αのNC700Xを取り回した時の第一声が「軽!」でした。

しかし、サスセッティング(後で書きます)と後ろ乗り(後ろ重心で後輪に加重をかける乗り方)、を行えば不思議な位に軽快感と安定感が出ます。
それがなんとも不思議な気分で、安心感と速さが両立していると感じます。

ポジションとしては、バーハンドルなのに、意外に前傾姿勢に感じます。また、ステップはバックステップではありませんが、かなりのアップステップで、腰高に感じます。これも重心の高さを意識させられるので乗り始めは少し違和感を感じましたが、すぐに慣れました。

見た目はおとなしいバイクですが、乗って動かしてみると結構なスパルタンな印象があり、何度乗っても新鮮さがあり、僕は好きです。


●エンジン
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前にも書きましたが、このバイクの最大の特徴が1000ccの90度Vツインエンジンです。
Vツイン独特のドコドコ感もそれなりに得られて楽しいのですが、なんと言っても加速力が抜群に楽しいです。

面白いのは信号のスタートダッシュから、高速での追い越しまで、全部同じ加速力を味わえる所がこのバイクの魅力だと思っています。
嫁ハンの兄がCB1300SBに乗っていますが、それに乗った時の第一印象が「重い・遅い」でした。トルクフルで乗りやすい。と銘打っているNC700Xも試乗車に乗りましたが紙の用に薄いトルクだと感じました。
僕は既に、大排気量のVツインなど、けっ飛ばされる様なトルクの塊に乗っていないと楽しめない身体になってしまった様です。

普段の走りでは5000rpmまででどんどんシフトアップしていきますが、それでも普通のバイクと比較しても頭ひとつ前に出ます。(ちなみに6速 5000rpmで130Km/hのバイク。1速でレブまで回せば一発で100Km/hまでも行きます)
そして、5000rpmでのシフトアップですので、その排気音も先に書いた様に全くもって静か。
外から見ていると、音もしないのに、いつの間にやら速度は乗っている。と言う存在です。
また、ビックボア・ショートストロークなエンジンなので、エンジンを高速に回してもぎくしゃくする事がありません。従って、低回転では強大なトルクを使って車速を稼ぎ、高回転でも気持ちよくエンジンの伸びを体感出来る、と言う事になります。

ただし、この特徴からゆっくり走る。と言う事にはやはり不得意です。
各ギア×10Km/h すなわち3速なら30Km/hが限界です。それ以下の速度になるとエンジンの回転とタイヤの回転が合わずにノッキングが起こります。しかもそのノッキングももの凄いガクガク、ガタガタです。回転で言うと速度の乗っていない2000rpm以下がガクガクゾーンです。
従って街中で渋滞を流す、と言うのははっきり言って辛いです。例えばノロノロ運転で30Km/hを切るか切らないか。の時にはちょこまかと3速→2速→3速....と言うのを強要してきます。クラッチレバーの操作にも辛いものがあります。

要するにこのバイクの長所であり、短所は「加速」です。

まるでスイッチのオン・オフの様な加速感。
その速度へのアクセスが速い。

こう表現すれば伝わるでしょうか。


●サスペンション
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純正のセッティングはあまりに硬く、しかもバネ味も強く、重たく不安定な乗り味なのですが、前後フルアジャスタブルなサスのセッティングを煮詰めると、別のバイクの様に乗りやすく、且つしなやかな乗り味になります。

スズキはこのバイクのメインの市場をヨーロッパ、北米に置いていた様で、彼らの体格に合わせたサスセッティングになっていて、(しかも2人乗りでも問題ないセッティングか?)サスペンションが非常に硬く、僕がまたがった位ではサスは殆ど動かない様な固さでした。
当然コーナリングではその煽りを受けて、サスの沈み込みが遅いので旋回が始まるまでのタイムラグが発生し、すんなりと走らせてくれませんし、安全マージンも感じられず、気合いで乗る乗り物でした。
しかし、リア、フロント共にプリロードを弱くし、伸び、圧縮各減衰を最適化するだけで猛烈にコーナリングがやりやすくなり、なにより乗り心地が良くなります。
また、路面の凹凸に合わせて、車輪が細かくピッチングするのも良く感じ取られるので、無理な領域が分かりやすく、その結果安全に走る事が出来るバイクになります。

サスペンションとは違いますが、後輪のスイングアームが1000nの方が1000sと比較して2cmも長いです。(この違いは大きいと思います)そして指定タイヤもsではパイロットパワーなのに対してnはパイロットロードとされています。
sはスポーツバイク nはツーリングバイク。と言うコンセプトが与えられている様です。
その観点からもサスペンションセッティングは優しい方向の方が、このバイクには向いていると思います。


●ハンドリング
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バイクの重量が、先に書いた様に軽い事と、重心が比較的高い事から、積極的な体重移動を行った方が乗り味は楽しいバイクだと思います。
すなわち、カーブでは自然なバンキングで走るより、バンク角の制御を体重移動で積極的に行う事がこのバイクには似合うと思います。また、そうしないと乗りにくいと感じるかも知れません。

ここで大切なのが、先にも書きましたが後輪加重です。
外足加重では大した事は出来ませんが、外足加重を止めて、どっしりとシートに「座れば」自然に後輪に加重が乗って、カーブを立ち上がる時にアクセルを開けるだけでタイヤの潰れが伝わってくるので安全に走る事が出来ます。そして、トルクの強さ(=加速の強さ)がタイヤをより潰すのもこのバイクの良い所だと思っています。
ただし、調子に乗ってタイヤの潰れ感を楽しいで居ると、驚く程にタイヤが減ってしまう様です。

前に付けていたメッツラーのインタラクトZ6はたったの7800kmでリアだけ溝が消えました。今はミシュランのパイロットロード2ですが、毎週空気圧を2.5にして、徹底した管理下で使っています。

ハンドリングとしては、トラクションして曲がる。と言う典型的なバイクですね。
このバイクで初めてタイヤの潰れを意識出来ましたし、その意識が自分の中に芽生えると、カーブでバンクさせないで、如何に安全に速く脱出するか。と言う事が楽しくなってきます。


●総括すると
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とっても速いツーリングバイクです^^;

と言うとミもフタも無いのでもう少し説明をするなら、体重移動によるバイクの姿勢制御とアクセルワークによるトラクションコントロールが楽しいバイク、と言うのが総括でしょうか。

バイクに乗っている感が強く、運転している事が好きな人には楽しいバイクですが、楽に走るのには向いていません。そう言う人はXJR1300とか、CB1300などの「ネイキッド」が良いと思います。(ネイキッドが悪い、と言いたいのではありませんので勘違いしないで下さい)

しかし、スーパースポーツの様な急かされた様な感は全然ありません。しっとりとしているのに平均速度はいつの間にか速い、と言う感じです。
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独特な面白さがあり、それはこのバイクに乗らないと味わえないと思っています。
しかし、今やこのバイクは中古でしか売っていません。台数もそんなにある訳ではないので(1000n として)、この楽しさを味わってみたい、と言うキトクな方は是非、探してでも乗るべきだと思います。

とっても速いツーリングバイク

是非。

写真は全部 SMC PENTAX-A ZOOM 13.5 35-105mm + *ist D
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by jmiin | 2012-06-17 22:10


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